ICTトライアングルフォーラム 2011年
電気通信大学(UEC)、北京郵電大学(BUPT:Beijing University of Posts and Telecommunications)、韓国科学技術院(KAIST: Korea Advanced Institute of Science and Technology、2008年度までは韓国情報通信大学 ICU: Information and Communications University)は、従来からの協力関係を発展させ、日中韓の情報通信系3大学の研究・教育の連携を一層深めるため、 2006年からこのICT(情報通信技術) トライアングルフォーラムを毎年開催しています。2006年、2009年は本学で、2007、2010年はBUPTで、2008年はKAISTに統合される前のICUで開催されており、本年(2011年)はKAISTが主催校となって8月25~26日に韓国テジョン(Daejeon)にあるKAISTで開催されました。
トライアングルフォーラムは、当初国際シンポジウム(2008年からTriSAIと命名)と学生の国際交流活動が主体でしたが、2009年からはPBL形式の授業を行う「大学院国際プロジェクト」が加わり、各種の交流が行われてきています。ただし今年(2011年)は大学院国際プロジェクトはUECとBUPTで実施され、KAISTでの今回の催しはTriSAIが主体となっています。
BUPTからは15名(教員・スタッフ7名、学生8名)、韓国科学技術院からは24名(教員11名、学生13名)が参加しました。 電通大からは32名(学長を含む教員10名、学生22名)の参加があり、合計71名の参加者を得ました。期間中、下記のような各種の行事が行われました。
- 国際シンポジウム Triangle Symposium on Advanced ICT (TriSAI) 2011
- KAISTテクニカルツアー
- ステアリングコミティーミーティング
- バンケット
- 韓国情報通信ハイテク機器展示会場見学
国際シンポジウム Triangle Symposium on Advanced ICT (TriSAI) 2011
今年はKAISTが設立40周年となるため、記念して梶谷学長が招待されました。また、BUPTからは、Mu Wenjie副学長が参加し、オープニングセッションでは、KAISTのMinho Kang副学長を加えた3人の方々から、開会の挨拶と祝辞が述べられました(写真1、2)
シンポジウム
シンポジウムは、キーノートスピーチ、招待講演、一般講演からなり、キーノートには京都大学の篠原真毅教授、招待講演には、UECから山尾泰教授、日本IBMから平洋一氏(写真3)が招かれました。
一般講演は49件で、UECからは教員2件、学生22件(写真4)の発表がありました。
KAISTテクニカルツアー
1日目の午後には、KAISTの研究成果がツアーで紹介されました。ICTの医療応用、無線電力伝送、多素子一体アンテナなど、UECの研究に近いテーマが多く、興味深く見学しました(写真5)。
2日目には、KAISTの Munjiキャンパスにバスで移動し、Mobile Harborと電気自動車を見学しました。Munjiキャンパスは元ICUのキャンパスだった場所で、2008年のTriSAIは、ここで開催されました。
電気自動車はKAISTが最近力を入れている研究開発テーマの1つで、既にバスに搭載されて、キャンパス内を試乗走行していました(写真6)。電力を地面下に埋め込まれたコイルから無線電力伝送で給電する画期的なシステムで、これからの省エネ社会に役立つ技術と思われます。
ステアリングコミティーミーティング
1日目午後に、今後のトライアングルフォーラムの活動について話し合いました(写真7)。TriSAIは、運営の形態をやや変更しますが、引き続き3大学で持ち回りで実施することで合意され、来年(2012年)はUECで開催することになりました。
バンケット
2日目の夕方に、KAISTのレストランを借り切ってバンケットが開催されました。バンケットにはKAISTの副学長で、TriSAI2011のConference Chairである Dongho Cho氏も参加し、友好を深めました(写真8)。
食事の後は、KAISTの学生達による歓迎を兼ねた催しがあり、歌やゲームなどで交流を深めました(写真9,10)
その後、優秀な学生の発表に対してBest paper Awardの贈呈がありました。UECではShamsad Parvin さん(写真11)とRuchaneeya Leepilaさん(写真12)が受賞しました。
写真13はUEC参加者全員の写真です。
韓国情報通信ハイテク展示会場視察
3日目にはTriSAI2011のソウルツアーがあり、2台のバスにUECとBUPTの参加者が分乗して、市内に向かいました。ハイテク展示場( Olleh square by KT)は光化門の近くにあり、最新の携帯通信端末や、昔の電話機(写真14:日本の電話機と似ているがちょっと形が違う)が展示されていて興味深いものでした。
近くにはCheonggyechonというソウルの中心を流れる人工の川(写真15)があり、ソウル市民の憩いの場となっていました。
作成日:2011年10月 3日 / 更新日:2011年11月18日