河島 一成さん知能機械工学科・2年
1.ニューカッスル大学(オーストラリア)語学留学への参加動機
私がこのプログラムを知ったきっかけは前期の英語の授業のガイダンス前にこの留学のアナウンスがあったことです。それ以前からバイト先に短期、長期留学を経験している友達や先輩が多くいて其の話を聞くたびに興味を持っていました。さらに直前の春休みで部活の先輩が短期留学に行っているのを見て話を聞き留学へ行きたくなっていました。説明会に参加後両親に留学には多額の費用が必要だが行っても良いか尋ねたところ、幸運なことに許しをくれ、費用面も心配しなくていいと言ってくれたので留学に行く事を決めました。
2.授業、大学主催の交流活動について
語学学校の授業は平日9~15時までです。9~11時と13~15時は15人程度の少人数クラスで文法、リスニング、英作文そしてスピーキングを学び11~12時の全体講義では語彙とリスニングを中心に毎日違う先生から教わります。少人数クラスの方では基本的に月火と水木金で異なる二人の先生から教わりました。少人数クラスはAcademic, Upper Intermediate, Intermediate, Elementary A, Elementary Bの五段階に分けられそれを更に数等分にしています。私はIntermediateになりました。日本人のレベルはTOEICの点数で言うと400~600点くらいの人が集まっている様子でした。私のクラスは日本人9人(内二人は半年間の留学で残りは3~5週間)中国人4人、サウジアラビア人2人、ベトナム人1人、タイ人1人の計17人でした。授業内容は以下に詳細をまとめます。
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Grammar文法が授業で主に学んだものでした。はじめは過去形と音節そしてアクセントを学び現在進行形や過去進行形、接続詞、現在完了形、現在完了進行形、などと進んでいきました。学び方は日本と同じように空欄に語句を変形させて入れたり、文章を読みいくつかの問いに答える事でした。また新しい語句や全員が知っている訳ではない語句はまずは先生が生徒にたずねたので英語の表現力を身につける良い機会となっていました。
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Listening文法の次によく学んだものでした。主にあるニュースの特集番組で英語教材仕様になっているものを見て空欄の単語を聞き取ったり質問に答える形式です。日本のリスニングのように満点を狙うものではなくスラングも多用されており単語も難しいものが多いが故に見る前に単語の意味を説明されました。また二回だけですが歌を聞き単語を聞き取り最後は一回だけ一緒に歌ってみるという授業もありました。
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Writing授業の中で一番指示の少ない内容でした。その内容はお題を与えられ、それに従いノートに英文を書き後日文法が添削されて返ってくるというものです。週に二回ほど行われました。
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Speaking授業の中で最も楽しいものでした。自分の生い立ちや週末にしたこと自分の国ことなど話題は様々でしたがつたない英語でお互いに自分の話や国の話から時にはお題からそれながらしょうもない話まで様々な事を話しとても楽しい時間が過ごせました。また二三人のペアを作り話し合いや共同作業なども行いました。宿題は出される日と出されない日がありましたが難易度はあまり難しくありませんでした。また授業内の文法も同じ程度の難易でした。逆に苦労したのはリスニングやスピーキングです。リスニングは日本の授業で扱う物よりも難しく、スピーキングは慣れていなく大変でした。四週目にはパワーポイントを使った簡単なプレゼンテーションがありました。短期留学組の日本人は二人一組で長期留学生は個人で7分間程度行いました。テーマは自国について自分の街以外なら何でも良いとの事でした。私は相撲を選びました。また其の週にポートスティーブンスという港にクラス単位で遠足にいきました。天気は悪かったですがイルカが見れました。全体的に楽しかった語学学校の授業ですが一番印象に残ったのは五週目の金曜日、つまり最終日に先生が午後の授業をお別れパーティーにしてくれた事です。Mr. Beanの映画を見ながらお菓子を食べて会話を楽しみました。大学主催のイベントには一度だけ参加しました。それは月曜日の夕方から夜にかけて屋外で映画を見る事ができるものです。映画は日本のやくざが出てきて半分くらいが日本語だったので内容も理解できました。
3.授業以外の活動について
放課後は基本的に友達といました。具体的には大学が広いのでキャンパス散策をしたり、大学内のバーでビールを飲みながら話したりしていました。またシェアハウスをしている友達の家に行き遊んだり、ビーチに行って夕日を見たり、買い物をしたりと様々事をしました。しかし日本と違ってバスの本数が限られていたりお店が早くに閉まるためにどんなに遅くても大抵18時には解散していました。移動はバスか徒歩でしたがopal cardという交通系ICカードの特典で週に8回乗るとその後は無料だったので気軽にいろいろな所に行きました。
週末にはニューカッスルのビーチ、自然公園兼動物園、シドニー、ブルーマウンテンズ、エアーズロックに行きました。ニューカッスルは晴れならば昼間は半袖でちょうど良いくらい暖かく、現地人は海水浴やサーフィンを楽しんでいました。また先ほどのopal cardの特典でNSW州内のほぼすべてのバス、電車、フェリーが無料になったので週末の観光も安く抑えられました。エアーズロックへはオーストラリアへ到着後に予約などをして一人で行きました。エアーズロックでは6人のスペイン人と知り合いました。そのうち二組はハネムーンできていてとても幸せそうでした。
近くにある観光地にはだいたい行きましたが中でもビーチはおすすめです。現地での食事代くらいしかお金もかからずに友達と楽しく遊べ、仲も良くなるからです。
4.ホームステイや生活一般について
ホストファミリーは父親、11歳と15歳の息子のシングルファザーの家庭でした。またその他に居候らしき現地人男性と長期滞在で、大学で学んでいるフランス人男性の留学生と同じ時期に5週間滞在の日本人学生留学生がハウスメイトとして住んでいました。ホストファミリーはとても良い人たちでした。子供たちは学校で日本語を学んでいたので夕食時に少し日本語の練習を一緒にしたのは良い思い出です。またホストファザーはとてもフレンドリーで面倒見の良い人でした。夕食はもちろん食器洗いなども食洗機を利用している事もあり全てやっていただきました。其のため自分たちは朝昼食の用意と洗濯をすれば良いだけでした。ホストファミリーとは習慣や食事の違いで盛り上がりました。例えば習慣では買い物後のビニール袋を三角に畳んでいたらとても驚かれ教えを乞われました。また食事に関しては日本米のおいしさと違いを説明しました。そして翌日にシドニーで、電子レンジで温めるだけで食べられる日本米の商品を見つけたのでホストファミリーと一緒に食べました。オーストラリアのお米よりもおいしいと言ってもらえました。
しかし食事に関しては3つの驚きがありました。1つめはいただきます、ごちそうさまを
言わない事です。頭では分かっていましたが実際に体験すると大きな違和感を抱きました。2つめは料理が本当に質素で一汁三菜という日本の食事とはかけ離れていました。最後3つめはすぐに食べ物を捨ててしまう事です。最初は自分の家とだけの違いなのかと思っていましたが他の日本人留学生たちも同じ事を感じていました。
物価に関しては小分けの商品や自動販売機の商品、コンビニエンスストアの商品は日本の2~3倍はします。しかしスーパーに行けば日本と同程度もしくは少し安く売っています。大学の食堂やレストランは$8~$10のものが多く参りました。ニューカッスルの治安は夜はあまりよくわかりませんが昼間は少しなら荷物を放っておけるほどよかったです。
5.今回の留学を通じて得たこと
今回の短期留学で学んだ事はいくつもありますが其の中でも重要だと感じているものは英語能力の向上と他の文化や習慣、宗教に対する理解です。特にヒアリングとスピーキングができるようになりました。まだまだ片言の英語をしゃべっていて現地人の話すペースではあまり聞き取れないことは自覚していますが、それでも会話の流れやいくつかの単語から言っている事を想像して答えたり単語をつないでなんとか自分の考えを相手に伝える術は身につける事ができました。そして次に異文化に対する理解と尊敬です。ムスリムは毎日決められた回数を指定の時間にお祈りをしなければいけないようです。其のため毎週金曜日の午後のクラスには遅刻をしてきます。最初は訳を知らずにただ不真面目な生徒だと思っていましたが後々訳を知り、考えを改めました。また食事に関してもオーストラリア人はあまりパンや米などを食べずに肉を多く食べているのでお米が恋しくなったりしました。さらにある友達は豚肉は危険だからといって食べず、またある友達は牛肉は神聖だからといって食べないなど日本ではほとんどない事がとても身近で起こりとても驚きました。またこの経験はとても良い異文化理解の材料となりました。今後はもし留学に再度行くなら長期留学に行きたいと考えています。しかし英語がなぜ必要なのか、どのように将来使いたいかなどをしっかりと考える必要があると思います。
6.反省点
特に大きく失敗した点はありませんが、強いて言うなら朝夜は思ったより寒かったのでコートを一枚持っていけば良かったです。また逆に昼はある程度暖かくビーチも近かったので水着もあると良かったです。
7.参加希望者へのアドバイス
この留学は1ヶ月という短期留学ですが新しい環境を楽しめ、多くの人たちと国籍、年齢を超えて関われる大変良い機会です。お金の面であれば奨学金が、英語力の面であればSAPが、その他手続きなど煩雑なことは留学担当の先生たちが支援してくれます。今回自分の感覚では38日間が1週間のようでした。しかしそれを振り返り学んだ事を考えてみると日本での数ヶ月分程にも匹敵するのではないかと思っています。参加するきっかけは本当に些細な事でも良いと思いますし、ただなんとなく思いついたからでもいいと思います。大事なのは向こうでどれだけ積極的に楽しもうとするかどうかだと思います。英語の勉強と固く考えないで、オーストラリアを楽しんできてください。
作成日:2015年8月21日 / 更新日:2015年10月 7日