原木響也さんHARAKI, HibiyaⅢ類 機械システムプログラム 3年
ブレーキンゲ工科大学(スウェーデン)を選んだ理由
まず、日本国内の教育とは異なるアプローチでの学習を体感したかったからです。ヨーロッパの教育では「考える力」が重視されることを知り、将来の研究生活で必ず役に立つに違いないこの力を、現地で養いたいと考えました。さらに、留学の目的が「英語の上達」や「異文化交流」ではなく、「海外での専門分野の学習」でしたので、工学系大学を選択しました。
英語の勉強方法
大学入学当初から、「交換留学に行く」ことを目標の一つにしていましたが、英語はあまり得意ではありませんでした。1年生の夏休みに英語に慣れるために、電通大の語学留学プログラムでカナダのブリティッシュコロンビア大学に行きました。その後、勉強を続け、3回目の受験でようやく交換留学のための英語力基準を超えました。さらに、留学先での機械系の授業についていくために、電通大での普段の授業から、新しい用語の英訳を一緒に覚えるようにしていました。
授業について
ブレーキンゲ工科大学(BTH)では、半年に4科目ずつ、計8科目を履修しました。日本人がいない環境で、慣れないグループワークが主流の学習方法でした。このような環境の中でも、自分の力を最大限に発揮できる方法を模索し、試行錯誤を繰り返したことにより、より広い視野で物事を考えられるようになったと感じています。クラスメイトの半分以上は留学生だったため、想像以上にグローバルな生活を楽しむことができました。
また、修士の授業を受けたため、たくさんの論文を読む機会を得ました。英語論文を読むことはとても大変で、最初の論文には3日も費やしてしまいました。しかし、慣れるにつれ、たくさんの論文を読めるようになり、現在の最先端の技術に触れることができました。加えて、論文の探し方や構成を知ることもでき、これからの研究生活を身近に実感することができました。その結果、自ら論文を読み、社会に存在する問題を探す姿勢が身についたと思います。
授業外の過ごしかた
BTHカードを教務課で作ることにより、大学の様々なサービスを利用することができました。図書館は混んでいることが多いので、空いている教室やカフェで勉強することが多かったです。学内に静かで集中できる空間が必ずあるのでとても快適でした。また、KIDSというスポーツサークルに参加し、週2回バスケをしていました。
さらに、スイス、オーストリア、ハンガリー、アイスランド、デンマークを旅行しました。ほとんど一人旅だったのですが、旅先では貴重な出会いもありました。
留学で得られたこと
今回の留学の一番の収穫は、自分が没頭できる学術領域を発見することができたことです。BTHがあるカールスクローナには海軍基地があり、船舶や潜水艦の構造や推進に関係している流体の研究が昔から行われてきました。加えて、スウェーデンでは地球温暖化などに対する危機意識がとても高く、Sustainability (持続可能性)に関するテーマの研究が発達しており、BTHもその研究に秀でた機関の一つでした。この二種類の研究が合わさり、BTHでは「ものづくりをデジタル化により効率化する」という研究テーマがありました。そこで、重要になってくるのがCAEです。実際にものを作って実験を繰り返すより、CAEによるシミュレーションを行うことのほうが効率的で、必要となる資材も少なくなります。しかし、実際はコンピュータで完全な現実世界の再現を行うことは難しいため、「計算力学」という分野で多くの研究が行われていました。私は、授業で「計算力学」について学び、この分野の将来的な可能性に魅せられました。
留学希望者へのメッセージ
あなたがこの文章を読んでいることは、あなたが留学に興味をもっている証拠です。今は、新型コロナウイルス感染症の拡大により留学が難しい時期ですが、留学に向けて行動することをやめないでください。みなさんの行動力が強ければ強いほど、電通大ではあなたを応援してくれると思います。
作成日:2021年4月13日 / 更新日:2024年10月 2日