ICTトライアングルフォーラム 2010年
電気通信大学(UEC)、北京郵電大学(BUPT)、韓国科学技術院(KAIST)は、従来からの協力関係を発展させ、日中韓の情報通信系3大学の研究・教育の連携を一層深めるため、 2006年からこのICT(情報通信技術) トライアングルフォーラムを毎年開催しています。2006年、2009年は本学で、2007年はBUPTで、2008年はKAISTに統合される前の韓国情報通信大学(ICU)で開催されており、本年はBUPTが主催校となって10月25~27日にBUPTで開催されました。
BUPTからは50名(教員11名、学生33名、スタッフ 6名)、韓国科学技術院からは14名(教員3名、学生10名、スタッフ1名)が参加しました。 電通大からは47名(教員11名、学生30名、TA 6名)の参加があり、合計111名の参加者を得ました。期間中、下記のような各種の行事が行われました。
- 国際シンポジウム Triangle Symposium on Advanced ICT (TriSAI) 2010
- ICT国際プロジェクト (情報通信)
- 学生バドミントン大会
- 企業見学
- 北京オリンピックスタジアム視察
- バンケット
- エグゼクティブ・ミーティング
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これまでに開催されたICTトライアングルフォーラム一覧
国際シンポジウム Triangle Symposium on Advanced ICT (TriSAI) 2010
ICTトライアングルフォーラムの中心的行事として開催され、25日午前のオープニングセッションでは、チョウ・ジニン BUPT副学長の歓迎挨拶につづき、KAISTからは カン・ミンホ副学長、本学からは福田喬理事からの挨拶がありました。続いてキーノート講演として、Datang(大唐)テレコム・テクノロジ社のチャイ・ユエミン博士から同社の事業概要と技術開発、中国のモバイル開発戦略などの講演があり、KAIST副学長カン・ミンホ教授からITベースの産学連携コンバーゼンスに重点を置いた新規産業の振興、次世代リーダの育成策などの講演、本学の福田喬理事から本学100周年に向けたUEC Vision2018の概要、これに基づいた組織改革、国際交流・パートナーシップに重点を置いた国際化戦略などの講演がそれぞれ行われました。
論文発表のセッションでは、4つのレギュラーセッション、8つの学生セッションが2日間に亘って開催されました。レギュラーセッションでは、ワイヤレス通信、光通信、電子デバイス、ネットワーク&応用、信号処理等の専門分野について合計24件の発表がありました。学生セッションは3大学の学生が協力して自主的に企画・運営する特色ある活動であり、レギュラーセッションと同様な専門分野で、合計40件の発表がありました。また、2日目午後14:00-16:00には、中国移動通信社研究所のリュウ・ガンイ博士および3大学の関連教員をゲストに迎え、「今後10年間のICT開発動向」、「モバイルインターネットと関連技術の進歩」をテーマとしたパネルセッションがあり、本学から中嶋信生教授と山尾泰教授がそれぞれ司会者、パネリストとして参加しました。
さらに、レギュラーセッション、学生セッションにおける各大学の最優秀論文が審査決定され、バンケットの場でBest Paper Awardが贈呈されました。
ICT国際プロジェクト
昨年度から開始した国際教育プログラムのICT国際プロジェクトでは、国際PBLによる学生主体の学習が行われ、今回はUEC12名、BUPT12名、総勢24名の大学院生がPBL開始に向けたワークショップに参加しました。このワークショップはBUPT学内の情報通信ネットワ―クセンター(信息情報網中心)4階の2部屋で実施されました。テーマはディジタル信号処理応用とワイヤレスネットワークです。テーマ別に、それぞれ英語を共通語とする4グループに分かれ、次回UECで開催されるPBL修了時のワークショップにおいてグループ間でPBL成果を発表し、高性能化を競います。今回は、授業や学生主体のグループ別協議を通して、グループ毎にそれぞれ今後のPBLの実施計画を学生が自主作成しました。PBL開始時と修了時のワークショップの中間期では学生が東京と北京に分かれるため、国際環境下でコミュニケーションができるよう、本学で開発した遠隔教育システムを使用し、ワークショップではその操作法も学習しました。
ICT国際プロジェクトに基づくPBLワークショップ
学生バドミントン大会
10月28日15時より体育館3Fで行われました。各大学を代表する学生によるリーグ戦を行い、本学が2勝して優勝しました。
学生によるバドミントン大会に参加した本学学生
企業見学
10月27日にUEC, KAISTからの参加者を対象に、企業見学会が行われました。見学先はDatang Telecom Technology社とHuawei Technologies社で、いずれも携帯電話や関連事業を展開している中国の代表的企業の一つであり、最新技術の開発動向を学ぶことができました。
北京オリンピックスタジアム視察
10月27日に企業見学会に続いて、北京オリンピックスタジアムの視察が行われました。場所はBUPTの東北約10kmの同じ都心にあり、広大な敷地に設けられた巨大なスタジアムと、天国に通じる言い伝えがベースになったという南北方向の広大なメインロードを見学しました。
バンケット
10月27日夜、BUPTに隣接する北京師範大学前のユマドゥン料理店でバンケットが行われました。Best Paper Awardの表彰と、学生企画の催しが行われ、オーケストラの演奏やゲームで大学間の親交を深めました。
エグゼクティブ・ミーティング
10月27日13:00より、エグゼクティブ・ミーティングが開催され、トライアングルフォーラムの今後の計画が議論されました。TriSAI2011は、KAIST開催で2011年8月22日(月)から24日(水)が候補日となりました。またICT国際プロジェクトに基づく本年度2回目のPBLワークショップは、UECで12月20日(月)、21日(火)に開催することが合意されました。
エグゼクティブ・ミーティングに出席した各大学・機関の代表者
これまでに開催されたICTトライアングルフォーラム一覧
作成日:2010年11月25日 / 更新日:2011年11月18日