レオンさん
名取さんに出会ったことは決して僕の記憶の中から消すことの出来ない素晴らしい経験になったといわずにはいられないです。
最初に名取さんと対面したとき、彼女はバックを抱えて、電子辞書を持っていました(後でこれは中国語を学ぶためのものであると知ったのですが・・)。名取さんは親切で、気配り上手な女性であると確信しました。挨拶を交わした後、英語はわからないけど中国語は出来ますと彼女は言っていました。彼女の中国語の発音は完璧でした。海外留学中に自分の母国語を話す人に出会うと、とても親しみがわくと思います。
対面後、名取さんは僕たちを彼女の家へと連れていってくれました。そこは静かで、穏やかで、きれいなところでした。僕はこのような純日本式の家が好きです。彼女は日本茶と手作りのクッキーを出してくれました。食べるのがとまらなくなるほど、とてもおいしかったです。
彼女はファイルを2冊見せてくれて、それらは彼女の家を訪れたすべての学生の情報と、その後彼らから送られてきた手紙をまとめたものでした。学生達は中国の様々な地域の出身で、何人かは僕も知っている人たちでした。1、2年前に名取さんは学生の結婚式に参加するために中国へ行ったようです。彼女はいつも電子辞書、そして紙と鉛筆を持ち歩いていて、中国語でなんていったらよいかわからない時は辞書で調べて、私たちに日本語訳を教えてくれました。会話の中で、僕たちはたくさんのことを学び、そして名取さんの年齢を知り、とてもびっくりしました。なんと彼女は70歳!だれも信じないでしょう。70歳になってもなお、絶え間ない努力で中国語を学び続けている。若い世代の僕たちには難しさなどは何の言い訳にもならず、もっと根気や辛抱強さをもって勉学に取り組むべきなのだと、名取さんから学びました。
夕方には、彼女は私たちにご馳走を振舞ってくれ、それらの多くは伝統的な中国料理の団子やスペアリブ鶏肉料理、春巻きや前菜などでした。お料理はすべて故郷を思わせる味がして、名取さんは愛情をいっぱい込めて子供のために料理を作る、やさしい母親のようでした。
楽しい時間というのはいつも短く感じられるもので、名取さんとのお別れは名残惜しいものでした。彼女は僕たちに贈り物を渡してくれ、そしてバス停まで送ってくれました。名取さんと僕は何千何億もの多くの日本人と中国人の代表として交流を持ち、お互いを大切に、思いやる心を分かち合っているのだと思いました。今後も交流を持ちお互いによい関係を結び日本と中国の間に橋を掛けましょう。そしてそれは永遠に続くと僕は思います。
この機会を与えてくれた大学に感謝します。
名取さん、そして大学の皆さん今後ともよろしくお願いします。
作成日:2013年11月 9日 / 更新日:2014年2月26日